はじめに
「生涯学習インストラクター」や「生涯学習コーディネーター」という資格をご存じでしょうか?
「学び」を通じて地域と関わりたい方や、学習支援ボランティアに興味がある方、「生涯学習」という単語にわくわくする方におすすめの資格です。
しかしこの2つの資格、名前や申請方法が似ているけど何が違うのでしょう?
ざっくり言うと、
- 生涯学習インストラクター:講師として自分の得意なことを教える人
- 生涯学習コーディネーター:講座を企画したり、講師・スタッフ・受講者などを調整する人
といったところです。
そこで今回は両方の資料を取り寄せて、違いを調べてみました!
(※生涯学習インストラクターは、2025年6月時点では資料請求の受付を行っていないようです)
公式サイトなどからも情報を集めて、それぞれの特徴や取得方法、費用についてまとめてみます。
生涯学習インストラクター
概要
一般財団法人社会通信教育協会が1992年に創設した資格です。
取得すると社会通信教育協会の人材バンクに登録され、自治体の生涯学習関連部署に名簿が送付される仕組みになっています。
特技や経験を生かし、ボランティア講師として活躍したい人におすすめです。
取得方法
この資格を取得するには、以下の通信講座を修了かつ優秀な成績を収めることが必要です。
- 社会通信教育協会に加盟する学校法人・財団法人・社団法人が実施する、文部科学省認定社会通信教育講座
- または、社会通信教育協会認定講座
残念ながら2025年6月時点では対象講座の一覧は公開されていないため、詳細は各講座の実施団体に直接確認する必要があります。参考として、以下のような通信教育講座が対象になっているようです。
- 日本通信教育学園
日商簿記検定、法制執務、社会福祉法人会計の実務など - 秋田大学
一般科学技術コース、地球科学コース、資源開発コースなど - 日本書道教育学会 通信教育講座
書道、ペン、篆刻など
費用
上記の対象講座受講料(実施団体によって異なります)に加え、資格の申請料がかかります。
- 2級(生涯学習における指導者・講師の補助):15,400円
- 1級(生涯学習における指導者・講師・企画立案者):17,600円
※ 1級の申請を行うには、2級取得後に『生涯学習コーディネーター研修』の受講が必要です
生涯学習コーディネーター
概要
生涯学習インストラクターと同じく、一般財団法人社会通信教育協会が創設した資格。
こちらは2009年から登場しました。
取得後は社会通信教育協会の人材バンクに登録され、自治体の生涯学習関連部署に名簿が送付されます。これは生涯学習インストラクターと同じですね。
異なる点は、ボランティア活動だけなく、仕事として生涯学習に関わる方にも適した資格であることでしょう。
例えば・・・
- 教員やPTA役員等の学校関係者
- 学童保育や放課後教室に携わっている方
- 博物館・図書館等で働く方
- 将来的にそうした仕事をしたいと考えている方
などに役立つ内容となっています。
取得方法
こちらは生涯学習インストラクターと違い、様々な対象講座から1つ選ぶというわけではありません。
唯一の対象講座である『生涯学習コーディネーター研修』(基礎コース)を修了した人のみ、資格申請の権利を得ることができます。この講座も通信での受講が可能です。
生涯学習コーディネーター研修では、以下の4つのスキルを学べるカリキュラムが用意されています。
- コーディネート・スキル(調整能力)
- 地域情報の活用法と情報を扱うスキル
- カウンセリング・コミュニケーション能力
- 企画力・設計力・デザイン力
費用
上記の講座受講料46,420円に加え、申請料7,700円が必要です。
※さらにステップアップを目指す場合は、資格取得後に『生涯学習コーディネーター新支援技法研修』(新支援技法コース)を受講・申請することで、「生涯学習上級コーディネーター」に認定されます。
まとめ
生涯学習インストラクターと生涯学習コーディネーターは、どちらも一般財団法人社会通信教育協会が認定する資格。通信教育で学び、各講座修了後に申請することで資格取得が可能です。
取得後は人材バンクに登録され、自治体に名簿が送られます。
自分のスキルを活かし、講師として教えたい人には「生涯学習インストラクター」
講座の企画や調整役として生涯学習分野で活躍したい人には「生涯学習コーディネーター」
がおすすめです。自分がどんな風に生涯学習に関わっていきたいかによって、取得する資格を決めましょう!


コメント